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「減価償却費の即時計上」制度とは?2026年スタート予定の新税制が企業経営に与える影響

経済産業省は、2026年から5年間の時限措置として「設備投資にかかる減価償却費を初年度に一括で計上できる制度」を財務省に提案しています。

もし実現すれば、企業は設備投資をした年に一気に経費として処理できるようになるため、キャッシュフローが大きく改善する可能性があります。

本記事では、この「減価償却費の即時計上」制度の概要や背景、企業にとってのメリット・注意点、そしてこの制度を活かす投資戦略を解説します。

目次

減価償却とは?「即時計上」で何ができる・変わるのか

まずは基本となる「減価償却」から整理しましょう。会社が機械や設備、システムなどを購入した際、その金額を一度に経費にするのではなく、数年に分けて少しずつ費用として計上していく考え方が減価償却です。たとえば1,000万円の機械を購入し、耐用年数が5年であれば、毎年200万円ずつ経費にするイメージです。

一方で「即時計上」とは、この費用化を初年度に一気に行える制度を指します。つまり、1,000万円で購入したその年に、まるごと経費として計上できるようになるのです。これにより、購入した年度の利益を大きく減らすことができ、結果として法人税の負担を軽減できたり、めぐりめぐってキャッシュが会社に残りやすくなり、資金繰りの改善に役立ったりもします。

即時計上制度の背景

今回の制度は、単なる税制改正ではなく、経済活性化策の一環として位置づけられています。背景には次のような狙いがあります。

一つ目は、企業の設備投資を後押しする政策意図です。日本企業の設備投資は近年減少傾向にあり、特に円安、人件費上昇、資材価格の高騰が重なり、投資に慎重な姿勢が見られます。この制度は、停滞気味の投資を動かす起爆剤としての役割が期待されています。

二つ目は、グリーン投資やDX(デジタル化)を加速させたいという国の方針です。脱炭素(GX:グリーントランスフォーメーション)やAI導入など、未来志向の投資を促すためのインセンティブとして「即時計上」が検討されています。

三つ目は、国際的な競争力の維持です。アメリカやイギリスなどでは、すでに投資した設備を初年度で償却できる制度が整備されています。日本企業だけが慎重なままでいると、成長投資のスピードで遅れを取り、国際競争力が低下するリスクがあるのです。こうした背景から、経済産業省は2026年から5年間の時限措置として導入する方向で、財務省に提案を進めています。

制度が導入されたら企業にどんなメリットがある?

もし制度が実現すれば、企業にはさまざまなメリットが生まれるでしょうか。

まず大きいのは、初年度に税金を大幅に抑えられることです。たとえば、2,000万円の設備を購入しても、その年に全額経費として処理できるため、課税所得が減り、法人税の負担が軽くなります。その分、手元資金を別の投資や人件費、開発費に回すことが可能です。

また、投資判断がしやすくなるという効果もあります。通常は「数年かけて回収できるか」を見極める必要がありますが、即時計上が可能になれば、初年度に費用化できるため、短期的な投資効果が明確になります。さらに、政策対象分野(グリーン・DXなど)に投資する企業ほど恩恵が大きくなる可能性があります。政府が重点投資領域を設定すれば、その分、税制優遇の対象になりやすくなるでしょう。

海外ではすでに導入済み?世界の同様制度と比較

海外では、日本よりも早くから同様の制度が導入され、企業投資を後押ししています。たとえばアメリカには「セクション179」と呼ばれる制度があり、中小企業を中心に一定額までの設備投資を初年度で全額償却できる仕組みがあります。これにより、投資促進と雇用拡大の両立が図られてきました。イギリスでも、グリーン設備やデジタル化投資に対して「スーパーディダクション」と呼ばれる特別償却制度を設け、一定割合を上乗せして経費計上できるようにしています。

こうした国々に共通するのは、対象を明確に限定し、税収への影響をコントロールしている点です。日本の制度も、おそらくはすべての設備投資ではなく、国が重視する分野を中心に対象を定める形になると考えられます。

今こそ注目すべき投資領域:IT・AI・グリーン分野を中心に

即時計上制度が実現すれば、「どんな投資を行うか」が企業成長の鍵を握ります。単なる設備更新ではなく、中長期的に競争力を高める投資領域を選ぶことが重要です。ここでは、特に注目すべき4つの分野を紹介します。

DX(デジタルトランスフォーメーション)関連投資

ERP(基幹システム)やSaaS導入、RPAによる業務自動化などは、国のDX推進政策とも合致します。特に、AI分析ツールやBI(ビジネスインテリジェンス)システムへの投資は、意思決定のスピードと精度を高め、データドリブン経営の基盤づくりに寄与します。

AI・自動化・生成AIの活用領域

ChatGPTやCopilotなど、自然言語処理を活用したツールは業務効率化や社内ナレッジ共有を促進します。AIによる需要予測やマーケティング自動化ツールの導入も、売上向上に直結する投資です。これらの分野は、政策的に優遇される可能性が高いでしょう。

脱炭素・省エネルギー関連投資

再生可能エネルギー設備、省エネ機器、高効率モーターなどの導入は、政府が推進するGX(グリーントランスフォーメーション)政策と直結しています。特に製造業や物流業では、エネルギーコスト削減とCO₂削減の両立が重要な経営課題となっており、前倒しでの投資検討が有効です。

セキュリティ・インフラ整備

DXやAIの進展に伴い、サイバーセキュリティ対策は不可欠です。ゼロトラスト型ネットワーク、クラウド基盤への移行、情報漏えい防止システムの導入などは、企業信頼性やBCP(事業継続計画)強化に直結します。

まとめ

「減価償却費の即時計上」制度は、企業の設備投資を後押しする強力な税制となるでしょう。特にDX・AI・グリーン分野など、国策と連動した投資領域では大きな追い風となります。一方で、翌年度以降の税負担増や制度終了後の影響には注意が必要です。制度の詳細が固まる前から、自社の中長期戦略と照らし合わせた投資計画を立てておくことが成功の鍵となるでしょう。

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