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新規事業を外部人材に任せる方法の比較 採用・業務委託・コンサルをフェーズ別に選ぶ

公開日 更新日 新規事業の責任者向け

新規事業を立ち上げたいが、社内に経験者がいない。正社員を採用するべきか、外部人材やコンサル会社に任せるべきか。新規事業の体制づくりに使える5つの方法を同じ軸で比較し、構想から拡大までのフェーズごとに、どの方法が向いているかを整理します。

調査時点:2026年9月14日/法令・公的支援に関する記述は各省庁の公式サイトにもとづきます。

この記事の結論

  • 新規事業の体制づくりには5つの方法があります。違いは費用の多寡よりも、「どこまで任せられるか」と「契約が終わったとき社内に何が残るか」に出ます。
  • 向いている方法はフェーズによって変わります。構想・検証の段階は外部の経験を借り、事業の方向性が固まってから担い手を社内に移すのが、固定費を増やさずに進める順番です。
  • 「採用しない」ことを目的にすると失敗します。外部人材の契約はいずれ終わるため、最終的にどの役割を社内に持つかを最初に決めておく必要があります。

新規事業の体制づくりには5つの方法がある

まず「誰が事業を担うのか(社内か、外部か)」と「どう関わってもらうのか」で整理すると、自社が取れる選択肢が見えてきます。

事業を担う人を、社内に抱える

正社員を採用する 自社採用・人材紹介

事業を長く担う人を社内に置けるため、人もノウハウも会社に残ります。一方で、採用が決まるまでに時間がかかり、固定費として残り続けます。事業の方向性が定まっていない段階で採用すると、検証の結果によって求める人物像そのものが変わってしまうことがあります。人材紹介を使う場合の手数料は、採用した人の理論年収に対する料率で決まるのが一般的です。

向いている場面:事業の方向性が固まり、長期で担い手が必要になったとき

向かない場面:何をやるかがまだ決まっていない構想・検証の段階

社内の人に、新しい役割を任せる

社内人材を抜擢・兼務させる 異動・社内公募・兼務

自社の事業・顧客・社内の意思決定の流れを理解しているため、社内調整は最も速く進みます。ただし、新規事業の立ち上げ経験があるとは限りません。既存業務との兼務では、目の前の業務に時間を取られて新規事業が後回しになりがちです。推進責任者は社内に置き、足りない経験を外部から補う組み合わせで使われることが多い方法です。

向いている場面:自社の資産や顧客基盤を使う事業で、推進責任者を社内に置きたいとき

向かない場面:社内に経験者がおらず、兼務で片手間になってしまうとき

経験者に、必要な期間と稼働だけ入ってもらう

業務委託で外部人材に入ってもらう 副業・フリーランスのプロ人材

新規事業の経験者に、週1〜2日などの部分的な稼働で入ってもらう方法です。着手が早く、フェーズに応じて人や稼働量を変えられます。一方で、業務委託の相手には社員と同じような指揮命令はできず、契約が終われば人は抜けます。判断の根拠や顧客とのやりとりを社内に残す設計をしておかないと、外部人材が抜けた時点で事業が止まります。

向いている場面:社内にない経験を、検証から立ち上げまでの期間だけ借りたいとき

向かない場面:成果物を定義しないまま、丸ごと任せたいとき

業務委託の外部人材を探せるサービスの比較はこちら →

チームで、戦略や計画をつくってもらう

コンサルティング会社に依頼する 新規事業コンサル

市場調査、事業戦略、事業計画の策定などを、方法論を持ったチームに依頼する方法です。客観的な視点と、社内の合意形成に使える材料が得られます。成果物は報告書や提言になることが多く、営業や顧客開拓といった実行の現場までどこまで入るかは会社によって異なります。

向いている場面:全社戦略と接続した大きなテーマ設定や、経営判断の材料が必要なとき

向かない場面:小さく試しながら、方向転換を繰り返したい段階

経験者に、1時間単位で話を聞く

スポットコンサルで知見だけ買う 1時間単位のインタビュー

特定の業界や事業の経験者に、1時間程度のインタビュー形式で話を聞く方法です。手を動かしてもらう前提ではなく、判断の前に一次情報を集める用途に向いています。進めるかどうかを決める前の段階なら、最も速く安く済みます。

向いている場面:事業に着手するかを決める前に、業界の一次情報を集めたいとき

向かない場面:継続的に手を動かしてくれる人が必要なとき

5つの方法の比較一覧

体制を選ぶときに比べるべき5つの軸で整理しました。いずれも一般的な傾向であり、個別の契約条件や人によって変わります。費用は契約内容による差が大きいため、金額ではなく「どう決まるか」で示しています。

方法 立ち上がりの速さ 費用の構造 任せられる範囲 社内に残るもの やめやすさ
正社員採用 遅い 採用活動が必要 固定費 実行〜意思決定 人とノウハウ 難しい
社内の抜擢・兼務 速い 異動・兼務の調整 既存の人件費 実行〜意思決定 人とノウハウ 配置転換で対応
業務委託 速い 契約後すぐ 変動費 稼働量に応じる 実行〜判断の支援 設計次第 契約期間ごと
コンサル会社 中程度 提案・契約を経る プロジェクト単位 戦略・計画 提言と方法論 契約期間ごと
スポットコンサル 最も速い 時間単位 情報提供 得た情報 1回ごと

※ 業務委託の「社内に残るもの」は、判断の根拠や検証結果を社内に記録する運用をしているかどうかで大きく変わります。

フェーズ別:どの方法が向いているか

最初から1つの方法に決める必要はありません。フェーズが進むにつれて、外部の経験を借りる比重から、社内で担う比重へ移していくのが基本の流れです。

構想外部の知見を集める
検証外部の経験で判断を速める
立ち上げ担い手の採用を準備する
拡大社内へ移す
外部の比重が大きい 社内の比重が大きい
01

構想

テーマ探索・市場調査

中心になる方法

スポットコンサル社内の推進責任者

組み合わせる:コンサル会社(全社戦略と接続する場合)

まだ何をやるかが決まっていない段階です。この時点で正社員を採用すると、検証の結果で求める人物像が変わる可能性があります。まずは社内で推進責任者を決め、経験者の一次情報を短時間で集めて、仮説の精度を上げることに集中します。

02

検証

顧客検証・PoC・MVP

中心になる方法

業務委託社内の推進責任者

組み合わせる:スポットコンサル(論点ごとに)

仮説検証は判断の連続で、方向転換も起こります。固定費を増やさずに、新規事業の経験者に判断の支援と実行に入ってもらうのが合理的な段階です。外部人材に任せきりにせず、検証の結果と判断の根拠を社内の責任者が持つようにします。

03

立ち上げ

初期営業・PMF

中心になる方法

業務委託採用の準備

組み合わせる:社内人材の追加配置

営業・マーケティングなどの実行量が増える段階です。業務委託で入ってもらう人を増やすと同時に、事業を長く担う人の採用準備を始めます。業務委託で一緒に働いた人は、仕事の進め方を見たうえで採用候補として検討できます。

04

拡大

組織化・仕組み化

中心になる方法

正社員採用社内への移管

組み合わせる:業務委託(特定領域に絞る)

事業の方向性が固まり、長期の担い手が必要になる段階です。外部人材が担っていた役割を社内へ移し、外部人材は仕組み化や特定の専門領域に絞って残します。ここで引き継ぎの準備ができていないと、外部人材が抜けた時点で事業が止まります。

「採用せずに」進めるときの3つの落とし穴

事業が当たった後の担い手を決めていない

「採用せずに進める」こと自体が目的になると、事業が伸び始めたときに誰が長く担うのかが決まっていない状態になります。外部人材の契約はいずれ終わります。検証の段階から、どの役割を最終的に社内に持つのかを決めておいてください。

意思決定を外部に預けたまま、社内に判断材料が残らない

経験者に任せるほど進みは速くなりますが、なぜその判断をしたのかが社内に残らなければ、外部人材が抜けた後に同じ判断ができません。判断の根拠、顧客とのやりとり、検証の結果は、社内の責任者が持つ場所に記録を残す運用にします。

業務委託なのに、社員と同じように指示している

業務委託の相手に、作業の進め方や勤務時間・場所を社員と同じように細かく指示すると、契約の名前が業務委託でも、実態によっては労働者(雇用)と判断される可能性があります。事業者を介して人に入ってもらっている場合は、いわゆる偽装請負と判断される可能性もあります。依頼するのは業務の目的と成果であり、進め方は相手に委ねるのが業務委託の前提です。

外部人材と契約する前に確認すること

01

業務範囲と成果物の定義

「新規事業を手伝ってほしい」では契約になりません。検証する仮説、期待する成果物、稼働量を言葉にしておきます。フリーランスに業務を委託する場合は、業務の内容や報酬額、支払期日などの取引条件を書面または電磁的方法で明示することが法律で義務づけられています(フリーランス・事業者間取引適正化等法)。

02

秘密保持と知的財産の帰属

新規事業の構想は機密性が高い情報です。秘密保持契約の範囲に加えて、業務の中で生まれた資料・データ・アイデアの権利がどちらに帰属するのかを契約で決めておきます。外部人材は複数の企業と取引していることが多いため、競合する業務の扱いも確認しておくと安心です。

03

途中終了と契約切り替えの条件

検証の結果によっては、途中で方針を変えることもあります。途中終了の申し出期限と、その場合の費用を確認しておきます。うまくいった場合に、その人と直接契約や雇用契約に切り替えられるのか、その際の費用はいくらかも、契約前に確認しておくべき項目です。

talentalの位置づけ

talentalは、5つの方法のうち業務委託にあたるサービスで、事業開発(BizDev)領域の実務経験者を扱っています。特徴は、業務委託の期間を「採用する前に一緒に働いて見極める期間」としても使えるように、料金・稼働条件・契約の切り替え条件をあらかじめ公開している点です。検証・立ち上げの段階は業務委託で入ってもらい、事業の方向性が固まったら、その人に直接契約や雇用契約で残ってもらうという進め方ができます。

料金

月50,000円〜

希望時給×稼働時間×管理費。初期費用はかかりません。

稼働

月1時間〜

最低契約期間は3カ月〜。

契約の切り替え

業務委託(直接契約)へ

一律120万円

雇用契約へ

理論年収の40%

向いているのは、「新規事業の経験者に入ってほしいが、最初から採用するのはリスクが大きい」場面です。逆に、進めるかどうかを決める前の情報収集だけならスポットコンサル、全社戦略と接続した大規模な検討ならコンサル会社のほうが適しています。

武田 直人 talental株式会社代表取締役社長

事業開発の現場から

新規事業開発は変化が激しく、フェーズによって必要なスキルセットが大きく変わります。リサーチ・起案段階ではコンサルティングファームで活躍されてきた方やPoCの経験が求められます。事業内容が固まり実行フェーズに移ると、営業やアライアンス先とのパートナーシップ構築、あるいはマーケティング関連の経験者が重宝されます。

talentalの場合はクライアント企業の事業開発フェーズに合わせた最適な人員をチームとして組成、あるいは計画的に入れ替えながら推進していくことが可能なため、お客様からその柔軟性や機動力にご好評をいただいています。

よくある質問

新規事業を外部人材に任せると、ノウハウは社内に残りますか?

任せ方によります。外部人材に判断と実行を丸ごと任せると、契約終了とともにノウハウも社外に出ていきます。社内に推進責任者を置き、判断の根拠や検証の結果、顧客とのやりとりを社内に記録として残す運用にしておけば、外部人材が抜けた後も事業を続けられます。

コンサル会社と業務委託の外部人材は何が違いますか?

コンサル会社はチームとして戦略・調査・計画の策定を担い、報告書や提言が成果物になることが多い方法です。業務委託の外部人材は個人として事業の中に入り、判断の支援や営業・マーケティングなどの実行を担います。全社戦略と接続した大きな検討にはコンサル会社、小さく試しながら方向転換を繰り返す検証の段階には業務委託が向いています。

業務委託で入ってもらった人を、後から正社員として採用できますか?

サービスや契約によります。業務委託の人材を紹介するサービスを使っている場合、直接契約や雇用に切り替える際に費用が発生することがあるため、契約前に切り替えの可否と条件を確認してください。talentalでは、業務委託としての直接契約に切り替える場合は一律120万円、雇用契約(役員・契約社員等を含む)に至った場合は理論年収の40%と、条件を事前に公開しています。

業務委託の外部人材に、社員と同じように指示を出してもいいですか?

避けてください。個人に業務委託している場合、作業の進め方や勤務時間・場所を社員と同じように指示・拘束していると、実態によって労働者と判断される可能性があります(判断の考え方は「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」に示されています)。事業者を介して人に入ってもらっている場合は、発注者が直接指揮命令すると偽装請負と判断される可能性があり、厚生労働省が請負と労働者派遣を区分する基準を示しています。依頼するのは業務の目的と成果とし、進め方は相手に委ねるのが前提です。

地方企業が外部のプロ人材を活用するときに使える公的な支援はありますか?

内閣府のプロフェッショナル人材事業があります。各道府県に設置されたプロフェッショナル人材戦略拠点に無料で相談でき、経営課題の解決に必要な人材像の明確化や、ニーズに合った人材とのマッチングの支援を受けられます。対象や支援内容の詳細は、各拠点にお問い合わせください。

出典・調査時点

本記事の法令・公的支援に関する記述は、2026年9月14日時点の各省庁の公式サイトの記載にもとづきます。比較表は各方法の一般的な傾向を整理したもので、個別の契約条件によって異なります。個別の契約が法令に適合するかどうかは、専門家にご確認ください。

黄 千尋

EDITOR

この記事の編集

黄 千尋こう ちひろ

talental ディレクター

2015年よりフリーランスのライター・編集ディレクター・広報として活動し、2024年9月にtalentalへ参画。タレントのサポートを担当しながら、外部人材の活用に関するガイドの編集を担当している。

武田 直人

COMMENT

事業開発の現場からのコメント

武田 直人たけだ なおと

talental株式会社 代表取締役社長

2005年にソフトバンク・ヒューマンキャピタル株式会社へ入社し、マーケティング部門・経営企画部門の責任者を務める。2017年に自ら起案した事業を子会社として設立し、代表取締役副社長に就任。2024年9月にtalental株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。

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