GUIDE
BizDev(事業開発)人材を外部から確保する方法
フェーズ別の要件と見極め方
公開日 更新日 経営者・事業責任者向け
新規事業や提携を前に進めるBizDev(事業開発)人材が社内にいない。採用しようにも要件がまとまらず、面接だけでは力量を判断しにくい。BizDev人材を確保する6つの方法を比較し、フェーズごとに求める経験の違いと、採用で失敗しないための見極め方を整理します。
調査時点:2026年9月14日/調査データは各調査機関の公表資料にもとづきます。
この記事の結論
- BizDev人材は、会社や事業のフェーズによって役割が大きく変わります。「BizDevができる人」ではなく、「どのフェーズで何を任せるか」から要件を決めるのが先です。
- 確保する方法は6つあります。探索・検証の段階は業務委託や顧問で経験を借り、事業の方向性が固まってから正社員採用や人材紹介で長く担う人を迎えるのが、方向転換に強い順番です。
- BizDev人材は面接だけでは判断しにくいため、短期の業務委託で一緒に働いてから、採用や直接契約への切り替えを判断する方法が使えます。切り替えの条件は契約前に確認します。
BizDev(事業開発)人材とは
BizDev(事業開発)人材とは、新しい事業・提携・市場を切り開き、収益につながる形まで推進する人材のことです。市場や顧客の調査から、事業仮説の検証、提携先との交渉、事業を伸ばす仕組みづくりまでを担います。
職種としての定義や営業との違いは、月刊タレンタルの記事で詳しく解説しています。このガイドでは、企業がBizDev人材をどう確保するかに絞って整理します。
BizDev人材の確保が難しい理由
38.9%
新規事業開発の課題として「新規事業開発を担う人材の確保が困難」を挙げた担当者の割合。課題の1位でした。出典:パーソル総合研究所「企業の新規事業開発における組織・人材要因に関する調査」(2021年調査、従業員300名以上の企業の新規事業担当者 n=1,800)
役割が会社ごとに違い、要件を言葉にしにくい
BizDevと一口に言っても、市場を探す人、提携をまとめる人、事業を仕組みにする人では、求める経験がまったく違います。「新規事業を任せられる人」という要件のまま募集すると、応募者と自社の期待がずれ、採用後に合わないことがわかります。
成果が環境に左右され、面接で再現性を判断しにくい
新規事業の成果は、本人の力だけでなく、予算や社内の後押し、タイミングにも左右されます。職務経歴書に並ぶ実績が、自社の環境でも再現できるのかは、面接の受け答えだけでは判断しにくいのが実情です。
一方で、外部から確保する選択肢は広がっています。
29.1%
副業人材を受け入れている企業の割合(副業受入率)。出典:パーソル総合研究所「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査」(2025年調査)
フェーズによって求める経験が違う
要件を決める最初の一歩は、自社の事業がどのフェーズにあるかを見極めることです。フェーズごとに、任せる業務・求める経験・向いている確保方法が変わります。
| フェーズ | 任せる業務 | 求める経験 | 向いている確保方法 |
|---|---|---|---|
| 探索 テーマ・市場を決める | 市場や顧客の調査、事業仮説づくり、提携候補の洗い出し | 対象業界の知見、仮説を立てて検証に落とし込んだ経験 | 顧問・アドバイザー、短期の業務委託 |
| 検証 顧客・提携で確かめる | 顧客インタビュー、PoC、初期の提携交渉と商談づくり | ゼロから商談をつくり、検証を回して方向転換を判断した経験 | 業務委託(直接契約・エージェント経由) |
| 拡大 収益化・組織化する | 営業体制づくり、提携の拡大、KPIの運用、チームの採用 | 事業を伸ばして仕組みにした経験、メンバーのマネジメント | 正社員採用・人材紹介、業務委託からの切り替え |
要件は「BizDevができる人」ではなく、「どのフェーズで、何を任せるか」で書く。フェーズが変われば、求める経験も確保方法も変わります。
BizDev人材を確保する6つの方法の比較
BizDev人材を確保する方法は、雇用で迎えるか業務委託で入ってもらうか、誰が要件を整理するかで6つに分かれます。いずれも一般的な傾向であり、個別の契約やサービスによって異なります。
| 方法 | 立ち上がり | 契約形態 | 要件の整理 | 後から採用・直接契約へ |
|---|---|---|---|---|
| 正社員採用 自社採用・リファラル | 遅い | 雇用 | 自社で整理する | はじめから雇用 |
| 人材紹介 紹介会社を利用 | 中程度 | 雇用 | 紹介会社と整理する | はじめから雇用 |
| 業務委託(直接) 知人・人脈から | 速い | 業務委託 | 自社で整理する | 当事者の合意による |
| 業務委託(サービス経由) マッチング型・エージェント型 | 速い | 業務委託 | マッチング型は自社、エージェント型は担当者と | サービスの規約による |
| 顧問・アドバイザー 経験者に助言を受ける | 速い | 顧問契約(業務委託) | 自社で整理する | 当事者の合意による |
| コンサルティング会社 法人に依頼 | 中程度 | 業務委託(法人) | コンサル会社と整理する | 想定されていないことが多い |
サービス経由で業務委託の人材を探す場合、自社で検索・スカウトするマッチング型と、要件を伝えて推薦を受けるエージェント型があります。BizDev人材は要件の整理が難しいため、要件づくりから相談したい場合はエージェント型が向いています。
面接だけで判断しない見極め方
BizDev人材の力量は、実際のテーマで一緒に働くと見えてきます。採用を急がず、短期の業務委託を見極めの期間として使う進め方です。
武田 直人 talental株式会社代表取締役社長 事業開発の現場から
私自身も、過去多くの新規事業開発に携わってきました。その多くが中途採用という形での人材確保でしたが、書類や面接だけではどうしてもお互いの相性を確認することが難しいと思っています。
新規事業開発のような重要ポジションでの採用ミスマッチはお互いのリスクや影響も大きく、これを解消できないかと立ち上げたのがtalentalのサービスです。
- 1
見極めたい力を先に決める
ゼロから商談をつくる力、社内の関係者を巻き込む力、撤退や方向転換を判断する力など、自社のフェーズで必要な力を2〜3個に絞ります。
- 2
1テーマ・3カ月程度の業務委託で一緒に働く
面接や職務経歴書では、成果がその人の力によるものか、環境によるものかを判断しにくいのがBizDev人材です。実際のテーマを任せて、進め方を見ます。
- 3
成果物だけでなく、進め方を見る
仮説の立て方、社内との合意の取り方、うまくいかなかったときの報告の仕方は、採用後の働き方をそのまま映します。
- 4
続ける・切り替える・終えるを判断する
採用や直接契約に切り替える可能性があるなら、切り替えの可否と費用を契約前に確認しておくことが前提です。あとから交渉すると揉めやすい部分です。
※ 業務委託の期間中は、勤務時間や場所を拘束したり、社員と同じように細かく指揮監督したりしないよう注意してください。実態によっては労働者と判断される可能性があります。
外部のBizDev人材を受け入れる前の社内チェックリスト
外部のBizDev人材が成果を出せるかどうかは、社内の受け皿で大きく変わります。依頼する前に、次の6項目を確認してください。
- 任せるテーマと、3カ月後にどうなっていれば成功かを言葉にしている
- 判断を仰げる意思決定者(予算・方針を決められる人)が決まっている
- 商談や提携の交渉で、外部人材に任せる権限の範囲が決まっている
- 社内の窓口担当と、定例の頻度が決まっている
- 顧客や取引先の紹介など、社内の人脈を使うことに社内の合意がある
- 事業が伸びたとき、誰が引き継ぐかの見通しがある
talentalの位置づけ
talentalは、BizDev(事業開発)領域の実務経験者に特化した、エージェント型の業務委託サービスです。要件の整理から相談でき、業務委託の期間を「採用や直接契約の前に一緒に働いて見極める期間」としても使えるよう、料金・稼働条件・契約の切り替え条件をあらかじめ公開しています。
料金
月50,000円〜
希望時給×稼働時間×管理費。初期費用はかかりません。
稼働
月1時間〜
最低契約期間は3カ月〜。
契約の切り替え
業務委託(直接契約)へ
一律120万円
雇用契約へ
理論年収の40%
向いているのは、探索・検証の段階で経験者の力を借りたい場面や、BizDev人材を採用したいが面接だけでは判断しきれない場面です。すでに要件が明確で、長く担う人を最初から雇用したい場合は、正社員採用や人材紹介のほうが合っています。
よくある質問
BizDev人材の採用が難しいのはなぜですか?
主な理由は2つあります。1つは、BizDevの役割が会社や事業のフェーズによって大きく違い、求める人物像を言葉にしにくいことです。もう1つは、新規事業の成果がチームや環境にも左右されるため、面接や職務経歴書だけでは再現性を判断しにくいことです。パーソル総合研究所の調査(2021年、新規事業担当者1,800人)でも、新規事業開発の課題の1位は「新規事業開発を担う人材の確保が困難」(38.9%)でした。
BizDev人材は、正社員採用と業務委託をどう使い分ければいいですか?
フェーズで使い分けます。テーマ探索や検証の段階は、何をやるかが変わりやすいため、経験者に業務委託や顧問で入ってもらうほうが方向転換に対応しやすくなります。事業の方向性が固まり、収益化や組織化を長く担う人が必要になったら、正社員採用や人材紹介、あるいは業務委託で入ってもらった人の採用への切り替えを検討します。
業務委託で入ってもらったBizDev人材を、正社員に切り替えることはできますか?
本人の合意があれば可能ですが、人材サービスを介している場合は切り替え時に費用が発生することがあります。契約前に切り替えの可否と条件を確認してください。talentalでは、業務委託としての直接契約に切り替える場合は一律120万円、雇用契約(役員・契約社員等を含む)に至った場合は理論年収の40%と、条件を事前に公開しています。
週1日や月数時間の関与でも、BizDev人材は成果を出せますか?
任せる内容によります。事業計画や検証の設計、提携先へのアプローチ方針、商談の進め方のレビューなど、経験者の判断が効く仕事なら短い稼働でも成果につながりやすい一方、顧客対応や社内調整を毎日担う推進役は、短い稼働では務まりません。社内に実務の担当者を置き、外部のBizDev人材が設計とレビューを担う組み合わせが現実的です。
外部のBizDev人材に依頼する前に、社内で準備することは何ですか?
任せるテーマと3カ月後の目標、判断を仰げる意思決定者、外部人材に任せる交渉権限の範囲、社内の窓口担当と定例の頻度を決めておきます。受け皿がないまま依頼すると、外部人材の稼働時間の多くが状況把握と判断待ちに使われ、成果が出にくくなります。
出典・調査時点
本記事の調査データは、2026年9月14日時点で確認できた各調査機関の公表資料にもとづきます。フェーズ別の整理と確保方法の比較は一般的な傾向をまとめたもので、個別の事業や契約条件によって異なります。
EDITOR
この記事の編集
黄 千尋こう ちひろ
talental ディレクター
2015年よりフリーランスのライター・編集ディレクター・広報として活動し、2024年9月にtalentalへ参画。タレントのサポートを担当しながら、外部人材の活用に関するガイドの編集を担当している。
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事業開発の現場からのコメント
武田 直人たけだ なおと
talental株式会社 代表取締役社長
2005年にソフトバンク・ヒューマンキャピタル株式会社へ入社し、マーケティング部門・経営企画部門の責任者を務める。2017年に自ら起案した事業を子会社として設立し、代表取締役副社長に就任。2024年9月にtalental株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。
