ミドル・ハイクラス人材の副業に関する意識・実態調査

2018年、政府が働き方改革の一環として副業を推進しはじめたこの年は、「副業元年」とも呼ばれています。さらに、コロナ禍によるリモートワークの普及は、新たなワークスタイルが生まれる契機となりました。

それから7年が経った2025年現在、ビジネスパーソンの副業に対する意識や実態はどのように変化しているのでしょうか。BizDev(事業開発)領域に特化した副業人材のレンタルサービスを手掛けるtalental株式会社では、年収600万円以上のミドル・ハイクラス人材を対象に、副業に関する意識や実態について調査しました。

調査概要

本件調査の概要は以下の通りです。

【調査の骨子】ミドル・ハイクラス人材の副業への関心・興味の度合いを調査する、副業経験とその実態について調査する
【調査対象】スクリーニング調査:20歳~59歳のビジネスパーソン(経営者・役員・会社員)4,400名、本調査:スクリーニング調査にて「年収600万円以上」かつ「現在(直近1年以内)、副業をしている」と回答した方218名
【調査時期】スクリーニング調査:2025年3月11日~2025年3月13日、本調査:2025年3月14日~2025年3月15日
【調査方法】いずれもインターネットによる調査

エグゼクティブ・サマリー

本調査のエグゼクティブ・サマリーは以下の通りです。

調査結果詳細

ミドル・ハイクラス人材の副業意向は53.7%、直近1年の副業実施経験は22.8%

ミドル・ハイクラス人材(年収600万円以上のビジネスパーソン)に対して副業への興味・関心について聞いたところ、「非常に関心がある」「ある程度関心がある」の合計は53.7%となり、半数以上が副業意向ありという結果になりました。また、直近1年以内の副業経験について聞いたところ、22.8%が「副業をしている」と回答しました。「現在はしていない」という人も含めた数字としては36.3%となり、4割弱が副業経験がある状況です。

なお、今回の調査における「副業」には株式投資や不動産投資も含んでおります。

興味深い点として、役職上位者ほど副業を実施している割合が高いという結果が出ております。

また、「以前は副業をしていたが、現在はしていない」「いいえ、これまで副業をしたことはない」と答えた方に、その理由を聞いたところ、「本業が忙しく、副業に充てる時間がない」が1位、「勤務先の規程で副業が禁止されている」が2位となりました。

副業の目的は「収入増」がトップ、次いで「スキル・キャリアUP」

本調査では、スクリーニング調査で抽出した年収600万円以上のビジネスパーソン、かつ直近1年以内に副業を実施していると回答した218名を対象に、副業の目的や実態について調査しました。

副業の主たる目的としては、「収入増」がトップという結果となり、次に「スキル・キャリアUP」に該当する回答が2位・3位となっております。

何件の副業を並行しているか聞いたところ、1~2件が全体の76.6%となり、およそ8割が該当しています。

副業先を見つけた方法については、「副業マッチングサービス」が1位で61.0%、次いで「SNSを通じたオファー」「知人や人脈の紹介」となりました。

実施している副業の種類・内容については、以下の通り、「IT・マーケティング・営業などの業務委託」がメインとなっています。

また、本業との類似性について聞いたところ、8割超が本業と業種もしくは職種のいずれが類似しているという結果になりました。

副業収入は月5万円~20万円、稼働時間は月20時間以上30時間未満がボリュームゾーン

続いて、副業による収入と稼働時間について聞いたところ、収入のボリュームゾーンは月5万円~20万円、稼働時間のボリュームゾーンは月20時間以上30時間未満となっています。

副業のメリットは「収入増」と「新たな知識・スキルの習得」、一方で時間管理の大変さも浮き彫りに

副業を通じて得られたメリットについては、「収入が増えた」「新しいスキルが身についた」「本業に活かせる知識・スキルが増えた」が上位に来る一方で、大変だったことについては「肉体的・精神的に疲労がたまる」「休息や家族と過ごす時間が減る」という時間管理の大変さが浮き彫りとなっています。

副業選びにおいて重視する3つのポイント

最後に、副業選びにおいてどのような点を重視するかについて見てみましょう。もっとも高いのが「自由な勤務時間・柔軟な働き方ができること」、2番目として「高い報酬・時給であること」、次いで「自身の興味や専門スキルを活かせる内容であること」となりました。

調査レポートの閲覧に関して

なお、今回の調査結果は以下にて全編まとめて閲覧することが可能です。
【PDF】ミドル・ハイクラス人材の副業に関する意識・実態調査(talental株式会社)

留意事項

本調査を引用いただく際は、以下出所を明記いただくようお願いいたします。調査内容の一部または全部を改変して引用・転載することはご遠慮ください。

出所:talental株式会社「ミドル・ハイクラス人材の副業に関する意識・実態調査」

終わりに

今回は年収600万円以上のミドル・ハイクラス人材の方々を対象に、副業に関する意識・実態調査を実施しました。

深刻な労働力人口の減少が進む中で、副業人材の活用は企業の人事戦略にとっても不可欠なものとなっていくことが予想されます。今回の調査結果が、各社における副業人材の受け入れ・活用の参考になれば幸いです。

BizDev(事業開発)領域に特化した副業人材のレンタルサービスを提供するtalental株式会社では、副業人材の活用による事業開発支援というソリューションを通して、国内労働力人口の減少という社会課題に取り組んでまいります。

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